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ロレックス ミルガウス Zブルー。





 次に、汎用性も重要だ。私がショップやアパレルラインをもちたいと思ったのは、自分自身のニーズを満たすためだった。マンハッタンで仕事をするときにも、ミシシッピの両親のところに帰るときにも、そしてミラノ行きの飛行機に乗るときでも、違和感なく着られる服が欲しかったのだ。当時、私のクローゼットにはそのようなものはなかった。

 我々の最初の名刺には「vestitum et sanae mentis」と書かれていた。これは「服を着て、正しい心で」という意味だ(マルコによる福音書から引用している)。つまり、服を着てもらい、それでいて服についてあまり考えなくてもいいように、心地よさと自信をもたせるという意味だ。服よりも重要なことに集中できるように、心を解放することなのだ。

 私は「洋服好き」で、自分の服装について考えるのが好きだが、多くのお客様はそうではない。同様に、私は「時計好き」ではないし、特にHODINKEE読者の皆さんとは比べ物にならない。だからこそ私の時計は後悔するようなものであってはならない。私の場合、そうして選んだ時計はロレックスのエクスプローラー 1016だ。その前は1960年代のゼニスのキャリバー126で、これは25年間所有している。

 あなたにとって時計とは何だろうか? 私は週に6日ネクタイを締め、7日めは水泳用トランクスをはくが、あなたの生活は私の生活とは違うはずだ。答えは毎日何をするかによって変わってくる。あなたにとって時計は、カシオのデジタルかもしれないし、ヴィンテージのユンハンス マックス・ビルに古いアリゲーターストラップをつけたものかもしれない。また、あなたがエルビス・プレスリーでない限り、ハミルトンのベンチュラではないだろう。概してスタイリッシュな時計とは、普段のスタイルに自然に溶け込んでいて、あまり気を使わなくてもいいものだと思っている......もちろん、気を使うことが楽しい人は別だが。

 時計が密かに特別な存在になると元気が出てしまう。ロレックスのミルガウスはまさにその典型だ。科学者の時計なのだ。私はまだ持っていないが、耐磁設計(発電所や病院、研究所で働く人のための設計)だと知ったときは、最高にクールだと思った。名前を解析すればそれほど秘密ではないが、それにしてもすごいストーリーだ。同じように、メリノウールとヤクの毛を使ったセーターがここにあるが、これは一見したところ全く分からないし、同時にワイルドなものなのだ。誰にも気づかれないだろうが、「ありがとう、ヤクの毛だよ!」という言葉は、「ありがとう、耐磁性だよ!」という言葉と同じくらいクールな答えだと思っている。

 ミルガウスのオレンジ色の秒針にも惹かれた。 昔からデイグロの蛍光顔料が好きだったし、製品染めのジーンズやスニーカー、オックスフォード生地のシャツなど、「シド・マッシュバーン」 のラインは常にネオンカラーを多用している。

 結局のところ私が好きなのは、シンプルで汎用性があり、均整がとれていて......たぶんクールな裏話もあるようなアイテムだ。ロケット工学ではないが、そうである必要もない。ロレックス レディース興味がもてるか。そして心が動かされるものか、ということなのだ。世の中には素晴らしい時計がたくさんあるが、最終的にスタイルの象徴とするには、それを自分の生活の一部にし、所有することなのだろう。

シド・マッシュバーン氏はデザイナーであり、アトランタ、ワシントンD.C.、ダラス、ヒューストン、ロサンゼルスの5ヵ所に展開するメンズウェアショップの経営者でもある。オンラインはこちら。